水産試験場

3 ヒラメ 資源レベル「高位」資源動向「増加」

 ヒラメは、小型底びき網、刺網、小型定置網などで漁獲されています。漁獲量は約10年周期で変動しており、近年では1996年、2005年、2014年にピークが見られ、直近2016年の漁獲量は25トンで減少傾向にあります。
【評価内容と提言】
 1997年からの推定資源量を資源量指標値として評価した結果、直近2016年は暦年の値の中で上位25%以上にあることから、資源レベルは「高位水準」と判断されました(図7)。また、直近5か年の推定資源量の年変動率は8.0%で、基準としている+5%を超えていることから、資源動向は「増加」と判断されました(図8)。 
委員会からの提言では、再生産成功率が低迷していること、2005年以降の0〜1歳資源量が減少の後、低い水準で推移していると推定されること、より広域の資源評価において太平洋南部海域は低位・減少と評価されていることから、資源が減少に転じている可能性が考えられるため、今後の資源動向を注視するとともに、小型魚の再放流等による保護が重要である、とされました。

4 カサゴ 資源レベル「中位」資源動向「横ばい」

 カサゴは、主にかさご延縄で漁獲されています。漁獲量は、1990年(43.6トン)をピークに、近年は15トン程度で推移しています。
【評価内容と提言】
 1989年からの推定資源量の推移を資源量指標値として評価した結果、直近2016年の県全体の推定資源量は、暦年の値の中で上位25%〜下位25%の間にあることから、資源レベルは「中位水準」と判断されました(図9)。また、直近5か年の県全体の推定資源量の年変動率は4.19%で、基準としている±5.0%以内であることから資源動向は「横ばい」と判断されました(図10)。
 委員会からの提言では、近年は、再生産成功率(親魚1kg当たりから加入する若齢魚の尾数)の上昇や1歳魚尾数の増加が見られることから、加入環境が好転した可能性があり、今後加入尾数の増加が期待されることから、資源回復計画の取り組み継続により親魚量を確保することがカサゴ資源の維持、回復に重要である、とされました。
FISHERIES EXPERIMENT