水産試験場

1 アマダイ類 資源レベル「中位」資源動向「増加」

 アマダイ類は、そのほとんどがその他の延縄で漁獲されています。漁獲量は、1989年の246トン以降減少傾向にありましたが、2011年以降は増加傾向にあります。
【評価内容と提言】
 1979年からの延縄CPUE(延縄漁業による1日・1 隻当たりの漁獲量)の推移を資源量指標値として評価した結果、直近の2016年の延縄CPUEは暦年の値の中で上位25%〜下位25%の間にあることから、資源レベルは「中位水準」と判断されました(図3)。また、直近5か年の延縄CPUEの年変動率は6.87%で、基準としている+5%を超えていることから、資源動向は「増加」と判断されました(図4)。
委員会からの提言では、近年は資源の増加期に入った可能性が高く、今後も再生産成功率(親魚1kg当たりから資源に加入する若齢魚の尾数)の高い状況が継続すれば、資源の増加につながることから、親魚量の確保を検討することが重要。とされました。

2 イセエビ 資源レベル「低位」資源動向「横ばい」

 イセエビは、そのほとんどが磯建網で漁獲され、禁漁期解禁直後の9〜10月に漁獲が集中しています。漁獲量は、1965年の142トンをピークに、近年では2007年から2012年まで減少傾向の後、2013年以降緩やかな増加傾向にありましたが、直近2016年の漁獲量は55.8トンで、前年を下回りました。
【評価内容と提言】
 1970年からの漁獲量の推移を資源量指標値として評価した結果、直近の2016年の漁獲量は暦年の値の中で下位25%以下にあることから、資源レベルは「低位水準」と判断されました(図5)。また、直近5か年の漁獲量の年変動率は、県北部で+0.1%、県中部で+5.0%、県南部で+4.0%であり、県全体でも基準としている±5.0%以内であることから資源動向は「横ばい」と判断されました(図6)。
 イセエビは沖合海域から補給されて沿岸域に加入すると考えられることから、委員会の提言としては、資源管理方策として加入量増大及び生残率の向上のための藻場の造成や代替物の検討・設置、資源の効率的利用方法として小型個体の再放流を行うことで漁獲サイズの拡大を促す措置が考えられる、とされました。
FISHERIES EXPERIMENT