本県沿岸漁船漁業の操業形態 |
図4 操業漁業種類数別の割合
本県沿岸漁船漁業の特徴として、約半数の経営体が単一漁業種類での操業で、残り半数はいくつかの漁業を組み合わせており、2種類の複合漁業は41.6%となっています(図4)。
また、地域別に見ると、県北、県南と比較して、県中は複合漁業の割合が高くなっていました。 |
本県沿岸漁船漁業の効率性 |
表1 収入性の高い操業形態類型
本県沿岸漁船漁業の操業形態を類型化すると全部で56パターンあり、1種類又は2種類(複合漁業)を営む経営体がほとんどを占め、複合操業では磯建網と釣漁業という組合せが多いことがわかりました。
また、操業当り漁獲金額(漁獲金額を操業日数で割った金額)及び年間漁獲金額が一定以上のタイプを高収入漁業として抽出したところ、曳縄の単一漁業及び磯建網と他の漁業の複合漁業が高いことがわかりました(表1)。
一方、漁獲金額が高くなる要因として、殆どの漁業は操業日数の影響が大きいものの、曳縄及び小型底曳網は操業当り漁獲金額が高く、効率性が高い漁業といえます(図5)。 |
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図5 操業形態類型別の収入要因(曳縄の事例)
赤線:県内全体の平均値
青線:上位50名のうち、曳縄経営体の平均値 |
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今後の展望 |
今年度は5トン以上も含めた沿岸漁船漁業について、地域別及び漁業種類別に高収入要因の解析を実施しており、経費等も含めた経営の実態(収益)についても調査分析を開始する予定です。
今後、分析結果を基に地域毎の現状に応じた高収益漁法や効率的な複合漁業の提案を目指して、研究を進めていきたいと考えております。
経営流通部では沿岸漁業はもとより、かつお・まぐろ船など沖合漁業における経営構造も調査研究することで、漁業収益性の改善や新規担い手の確保育成をサポートして参りますので、ご協力をよろしくお願いいたします。 |