宮崎県水産団体(宮崎県漁連会長 宇戸田 定信)は、去る11月2日(水)河野知事、星原県議会議長に平成29年度水産振興施策に対する要望を下記のとおり手交した。
(県要望事項)
1 リース事業を円滑に運営するための基盤強化について
漁業において必須の経営資源である漁船は、収益性の悪化等により高船齢化が進み、本県では船齢15年を超える割合が9割にも達し、漁業経営の存続が危機的な状況となっています。
このような状況の中、国の水産業競争力強化漁船導入緊急支援事業(漁船リース事業)を活用して、競争力ある収益性の高い漁船の導入を公益社団法人宮崎県漁村活性化推進機構をリース事業体として進めているところです。つきましては、漁船リース事業の継続的実施のため、以下の支援をお願いします。
- リース事業体で懸念されるリスクに備えつつ、事業を円滑に進めていくため、リース事業体の基盤強化のために、漁連等関係団体から資金支援等を検討しておりますが、県におかれましても推進機構への体制及び財政強化への支援をお願いします。
- リース漁船の取得に必要な資金の借入が十分にできるよう漁業近代化資金の貸付枠の拡大及び債務保証を行う宮崎県漁業信用基金協会の基盤強化のための支援をお願いします。
2 漁業経営指導の強化について
これまで、宮崎県漁業経営管理指導協会が実施していた漁業経営指導を公益社団法人宮崎県漁村活性化推進機構に移管し、「漁業への着業支援」、「効率的な漁業への転換支援」、「漁業者への経営指導」を一元化した体制としたところであるが、今までの既存漁業者への経営指導のみならず、新規就業者等への経営指導までその対応が広がっており、沿岸漁業の漁家の経営状況把握等着実な事務遂行のために、さらなる体制及び財政強化への支援をお願いいたします。
3 金融支援の実施・継続について
- 漁業経営安定対策資金の継続について
セーフティーネット構築事業の安定運営のため、「漁業経営安定対策資金」による支援を引き続きお願いいたします。
- 水産業競争力強化金融支援事業について
県域事業体に対する近代化資金の100%融資対応、中古漁船の償還期限延長等など柔軟な対応、ご支援についてお願いいたします。
現状5年間の実質無利子化措置について、漁船リース期間に併せた延長をお願いします。
- 漁業経営基盤強化金融支援事業について
借入により漁船建造等設備投資を行う場合の漁業者の金利負担軽減を図るため、近代化資金で漁船関連資金を利用する場合においても、公庫資金と同様の融資対象上限枠で対応いただきたく、事業内容の拡充についてお願いいたします。
4 養殖業における種苗価格の安定について
本県主要養殖対象種のカンパチ種苗は主に中国で漁獲される天然種苗に依存しており、その供給は変動が大きく価格が不安定である。なおかつ近年は種苗価格が高騰しており、生産コストの増大が経営を圧迫している。
これらのことから、安価で安定した人工カンパチ種苗の供給や、経営安定のための支援をお願いいたします。
5 操業支援情報の高度化について
水産試験場により提供されている「水試日報」のほか、操業支援情報については、出漁判断や漁場探索等に利用され、漁獲量の向上や操業コストの削減に役立つことから、新たな観測や情報配信システムの導入を推進し、より収益性の向上が図られる情報の高度化を促進していただくようお願いいたします。
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