水産試験場
本県における水産加工の現状について
 

はじめに

 経営流通部では、第5次宮崎県水産業漁村振興長期計画(後期計画)が掲げる持続可能な水産業(いわゆる儲かる水産業の構築)を実現するため、改革型漁船の支援や分析、カツオ、マグロの漁場予測技術の開発や、漁業調査取締船「みやざき丸」による予測技術検証や資源来遊状況調査等を行っている他、漁獲された水産物の付加価値向上のために、流通や加工技術の開発を行うとともに、未利用・低利用水産物の有効活用のための研究を行っています。今回は、本県における水産加工の現状と現在取り組んでいる試験研究についてご紹介します。

T 本県の出荷先別割合

 海面漁業の総水揚げ104,815トン(うち県外船水揚げ1,869トン)のうち、52.2%が県内に水揚げされ、47.8%が県外に水揚げされています。このうち、14.1%の14.8千トンの一部が加工原料として利用されます(図1)。

図1 本県の出荷先別割合

※資料:実数については、九州農政局宮崎地域センター「平成25年宮崎県の海面漁業・養殖業生産統計」
を用い、「漁協・市場聞き取り調査」から算出した仕向先比率を用いて仕向量を推定

U 本県の水産加工品生産量

 本県の水産加工業は、県内に広く立地しており、イワシ、アジ、サバ、チリメン等の塩干、煮干し品、練り製品や節製品を主体に生産しています。近年の傾向をみると、素干品、塩干品、煮干品が減少している一方、生鮮冷凍品の生産が増加しています(表1)。
FISHERIES EXPERIMENT