新年、明けましておめでとうございます。
皆様には、清々しい新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
さて、漁業を取り巻く環境は依然として厳しく、夏以降の原油価格の値下がりにより燃油価格は幾分落ち着いてはいるものの、今なお高止まりの状況は解消されず、更に水産物消費の減退と魚価低迷、就業者の高齢化や就業者数の減少など課題が山積しています。
このような中、10月5日にはTPP交渉が大筋合意に至りました。合意内容を見ると、国会決議に則り漁業補助金の国の政策決定権は維持されましたが、関税については、一部削減の上維持されたノリ、コンブ等の海藻類以外は、期間を設けられたものの撤廃という非常に厳しい結果となりました。さらに、牛肉等の畜産物関税が大幅に引き下げられることとなったことから、魚から肉へのシフトが加速し、水産物消費の減少や価格下落が強く懸念されます。
このため、11月9日にJFグループ宮崎は臨時組合長・参事合同会議を開催すると共に、11月12日に開催された全国漁連・信漁連会長、漁済組合長合同会議においては、TPP合意の影響を乗り越える強い水産業づくりのための全国決議を採択しております。
その後同決議に基づきJFグル-プは、意欲ある漁業者が将来に亘って希望を持って経営に取り組めるよう、浜プランの取組をより確実に進めるため、漁業者の行う水産業の構造改革や資源回復の取り組み等に対する強力な支援策を講ずることを政府・国会に強く求めてきました。本会もこれにあわせ県選出国会議員に対し要請活動を行って参りました。その結果、11月25日に決定された政府大綱に、「担い手へのリ-ス方式による漁船導入」、「産地の施設の再編整備」、「漁船漁業の構造改革」、「漁業経営セ-フティ-ネット構築事業の運営改善」等の取り組みが盛り込まれ、12月18日には、平成27年度補正予算が閣議決定されております。
また一方、漁船漁業の生命線であります燃油につきましては、今後とも全漁連と歩調を合わせ、安定供給の確保、適正価格の維持に努めながら、国、県に対する陳情・要望活動などの対策も行って参ります。
さらに、組織・事業再編対策については、県機能基盤強化アクションプランが再構築を図る重要な時期となっています。信用事業譲渡が完了した後、経済事業体としての漁協事業の合理的運営のため、浜の活力再生プランを取り込んだ新たなプラン構築を進めて参ります。
漁業をより魅力ある職業とするためには、漁家所得の向上が必要です。この為、県域的流通販売機能の強化策として、県下JF・漁業者と情報を共有し、よりリアルタイムな情報収集に努め集荷機能の強化を図り、漁連販売としての強みを活かした取り組みを進めて参ります。また、「水産物マーケッティング戦略策定プロジェクト」については、策定を終えた重点販売魚種の販売強化に努めて参ります。
本会は、これら難局を乗り越えるために、会員との連携を一層強め、本県の漁業の振興と存続を担うため、各事業を推進して参りたいと存じます。
最後になりましたが、皆様方のご健勝と航海の安全、豊漁をご祈念申し上げまして、新年の挨拶と致します。 |