宮崎県水産団体(宮崎県漁連会長 宇戸田 定信)は、去る11月20日(金)河野知事、星原県議会議長に平成28年度水産振興施策に対する要望を下記のとおり手交した。
水産振興施策に対する要望
本県の水産業の振興につきましては、予てより格段のご高配を賜り、衷心より深く感謝申し上げます。 さて、ご高承のとおり、水産業は国民に食料を供給する大変重要な産業でありますが、世界的な人口の増加や新興国での所得水準の向上による食料の需給が増大する中で、魚食文化が根付いた我が国の国民に安定して水産物を供給するためには、我が国の水産業が健全な状態で維持されていくことが極めて重要であります。 しかしながら、水産業を取り巻く諸情勢につきましては、漁獲量の減少や魚価の低迷により漁業収入が減少する一方で、燃油価格の高騰等による漁業経費の増大で、収益性が著しく低下し、中には廃業を余儀なくされる者も見受けられるなど、極めて厳しい経営状況を強いられております。 このような状況下にあって、水産業が就業先としての魅力を失い、次代を担うべき若者の加入が進まず、顕著な高齢化と漁業者の減少で、本県水産業の存続が危機的な状況にあります。このため、我々漁業系統団体としては、魅力ある水産業づくりに向けて、本県水産業の抜本的な立て直しに取り組んでいるところであります。
つきましては、現状をご賢察頂き、漁業の存続、漁業振興及び経営の安定を図るため、下記事項の実現に向け、特段のご配慮を賜りますようお願いを申し上げます。
(県要望事項)
1.公益社団法人への支援について
- 新規就業者の定着促進や若い世代への漁業の承継を進め、消費者への高品質で安全安心な本県水産物の供給体制を存続させるため、漁業協同組合が行う合理化された漁業生産体制の取組の支援等、漁業存続に向けた新たな仕組みを構築し、推進して参りたいと計画しております。
つきましては、意欲ある漁業経営体の高収益漁業への転換や承継に対する総合的な支援と、推進母体として設立を準備している公益社団法人の運営支援をお願いします。
2.金融支援の実施・継続
- (1)漁業近代化資金の金利負担軽減措置について
- 漁業近代化資金に利子補給の上乗せ措置をいただいています新みやざき漁業推進資金が、平成27年度で終了しますが、厳しい経営環境において多大な設備投資を要する代船建造等の推進に大きな助力となっていることから、平成28年度以降においても継続して同様の支援をお願いいたします。
また、操業体制の転換や人材の育成確保等への取組を促進するため、漁業近代化資金の金利を無利子化とする金利負担軽減措置をお願いします。
- (2)漁業経営安定対策資金の継続について
- 燃油代や養殖用配合飼料が高騰、高止まりするコスト対策として、セーフティーネット構築事業への加入促進のため、「漁業経営安定対策資金」による支援を引き続きお願いします。
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