水産試験場
19d改革型かつお一本釣漁船の生産性・収益性分析
 

はじめに

経営流通部では、漁業収益の向上のため、国のもうかる漁業創設支援事業の検証や取組支援等を行っております。今回は、船体小型化と短期操業による収益向上に取り組んだ西沖操業の近海かつお一本釣漁船3隻の実績を基に生産性・収益性の向上効果について分析を行いました。

分析手法の概要

分析は、改革前(75〜90d)と改革後(19d)の操業実績、経営資料を基に、物的生産性、価値生産性、単価、売上高利益率、損益分岐点分析を行い、経営改善モデル収支を検討しました。

T 19d改革型かつお一本釣漁船 主要目表

省エネ対策等 特徴

平均燃油消費量 目標:約1kl/航海日数

【船関係】

  1. 波による抵抗減少させるバルバスバウの大型化
  2. 浮力を確保するボイドスペースの導入
  3. 操舵性を向上させるベッカーラダーの導入

【機関関係】

  1. 船体の小型化に伴う主機関の小型化

【居住居環境関係】

  1. 立ったまま移動できる室内通路天井高の確保
  2. 海上転落時に備え小型漁船緊急支援連絡装置の設置

【鮮度保持関係】

  1. 船の軽量化も図れる冷水器の導入
  2. 海水殺菌装置の導入
主要寸法等
総トン数 19トン
登録長 19.35m〜19.84m
4.30m〜4.66m
深さ 2.42m〜2.43m
最大搭載人員
(乗組員)
13名(10〜11名)
航海速力 10ノット
燃油タンク 11.48u〜12.0u
魚槽数 12艙
魚槽容量 23.0u〜28.15u
主機関 610KW(810PS)〜736KW(1100PS)
排気量 20.38L〜29.96L
発電機関 73.6KW(100PS)〜80KW(108PS)
発電機 80KVA〜100KVA×2台
FISHERIES EXPERIMENT