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水産試験場からのお知らせとお願い

平成27年度の水産試験場の新規・重点研究課題のご紹介

産試験場の試験研究の推進につきましては、日頃より皆様方のご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
魚価の低迷や燃油の高止まり等による経営環境の悪化や漁業就業者の減少など、水産業にとって依然として厳しい状況が続く中、資源確保だけでなく、流通・販売や経営面での取組みがますます重要になってきております。
このため、水産試験場では「水産資源の回復と持続的利用(資源回復)」、「効率的生産による漁業経営の安定(コスト削減)」及び「消費者に信頼される水産物の供給(魚価向上)」をキーワードに,平成27年度は31の研究課題に取り組んでいます。
それらの研究課題の中で、新規・重点研究課題の一部について以下にご紹介します。

(1)日向灘海況情報提供システムの開発U(H27〜31、資源部)

漁業者は、出漁や漁場の判断等、効率的に操業するため、漁場付近の水温・潮流等の海の状況を注視しています。
水産試験場では、平成22〜26年度に、漁業者だけでなく試験研究者にも必要な日向灘の詳細な表層(海面)海況図を、毎日提供することを目指し研究した結果、水温・潮流・黒潮情報を統合した海況情報を提供することが可能となりました(日向灘海況情報提供システムの開発T)。
本年度からの研究では、より効果的な海洋観測網の構築と、複数の情報を統合する技術の開発により、鉛直方向(水深別)を含む日向灘海況図を、毎日提供するシステムを構築することを目的としています。
この研究により、今以上に計画的で効率的な操業が可能となるような情報を提供し、操業経費の削減や漁獲の安定につなげることを可能にしたいと考えています。

(2)アカアマダイの効果的な資源管理及び資源回復手法の開発(H27〜31、資源部)

日向灘のアカアマダイは、平成元年をピークに漁獲量が減少し、現在の資源レベルは低位、資源の動向は減少と評価されています。
このため資源回復が急がれますが、資源回復の手段として、漁獲制限や種苗放流等の措置が考えられるものの、何が最も有効な方法かは解っていません。
そこで本研究では、日向灘のアマダイに適した放流技術の開発や、資源を効果的に回復させる手法の検討を行い、資源回復計画に応用していくことにより、持続的で安定した資源の確保と漁業経営の安定に寄与していきたいと考えます。

(3)アカアマダイ種苗生産技術開発(H26〜30、増養殖部)

(2)のとおり、本県のアカアマダイは早急に資源回復に取り組むことが必要ですが、その手段として、漁獲制限等の資源管理の他、種苗放流を組み合わせることで、より効果的に回復を図ることが出来る可能性があります。
本種の種苗生産においては、高水温に弱く、時期によっては飼育水の冷却が必要なことや、生息場所が大変深く、活魚での親確保についての課題がありましたが、海水温が低くなる10月から、関係漁業者の方の協力を得て産卵親魚を確保できるようになり、この問題を解消して種苗生産試験を実施しています。
昨年度は、ウイルス対策を行いながら、稚魚の奇形発生につながる鰾が開かないという課題を解決したところであり、今後も安定した種苗生産技術の開発に取り組んでいきます。
また、開発した技術の活用と連携により、(一財)宮崎県水産振興協会での種苗量産化を支援していきます。
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