水産試験場
マダイ・ヒラメの放流効果について-資源部-
県では、昭和49年からマダイ、昭和60年からヒラメの放流に取り組んでいます。 平成26年度は、5月から8月にかけ、県下一円にマダイ16万尾、ヒラメ36万尾が放流されました。
さて、この放流したマダイ、ヒラメはどのくらい漁獲されているのか、またその放流効果はどうなのか、市場調査による最新の調査結果をお知らせします。

1.マダイの放流効果について

1)漁獲量・放流尾数の推移

本県マダイの漁獲量は、昭和50年代前半は50トン前後で推移していましたが、本格的な種苗放流始まった昭和55年以降増加し、平成8年には過去最高の160トンを記録しました。しかし、平成9年以降減少し、近年は70〜90トンで概ね横ばい傾向にあります。
放流尾数は、昭和49年に放流が開始されて以降、徐々に増加し、平成6、7年には60万尾を超える種苗が放流されています。その後は、種苗の大型化に伴い尾数は減少し、近年は10万尾程度が放流されています(図1)。

2)放流魚の混獲状況

平成10〜24年において、マダイ漁獲量の3〜14%(平均7%)にあたる2〜13トン(平均6トン)が放流魚と推定されました。
また、生産額では全体の3〜12%(平均7%)にあたる3〜25百万円(平均1千万円)が放流魚と推定されました(図2、3)。

3)放流魚毎の回収状況

平成10〜23年に放流した群のうち、放流後7年間の追跡調査を終えた平成10〜18年放流群の回収率は0.6〜1.9%(平均1.2%)、回収金額は3〜15百万円(平均8百万円)、費用対効果は0.5〜2.9倍(平均1.2倍)と計算されました(図4、5)。
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