年頭のごあいさつ
宮崎県漁業協同組合連合会 代表理事会長 宇戸田 定信
宇戸田 定信

年頭の挨拶

年、明けましておめでとうございます。
皆様には、清々しい新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
さて、漁業を取り巻く環境は依然として厳しく、水産資源状況の悪化、担い手不足等が深刻化しており、燃油価格の動向につきましても下降傾向にあるものの依然として高止まりは解消されず、予断を許さない状況下にあります。
一昨年4月に締結された日台漁業取り決めの影響が懸念されておりましたが、昨年の操業においては漁場形成の状況等により台湾漁船との大きなトラブルの発生はありませんでした。しかしながら周辺海域を漁場としているまぐろ延縄漁業においては不漁が続いております。また、かつお一本釣り漁業においても、特に気仙沼沖での操業が振るわず、更に沿岸漁業においては長期に亘り魚価の低迷・漁獲不振が続いており、漁業者は厳しい経営を強いられております。
このような中、全漁連は昨年11月に「JF全国代表者集会」を開催し、「浜の活力再生」、「組織・事業基盤の確立と人づくり」、「漁村活性化に向けたJFグル-プの役割発揮」の3つを柱とした5カ年の運動方針「水産日本の復活」に向けたJFグル-プの挑戦をグル-プの総意のもと採択し、浜の再生と浜の活力を取り戻すことを誓いました。また「新運動方針」とあわせ「燃油高騰緊急対策の継続」、「軽油引取税免税措置の堅持」の特別決議の採択を行いました。本会もこれにあわせ「軽油引取税免税措置の堅持」を県議会に対し請願申請を行っております。
漁船漁業の生命線であります燃油につきましては、今後とも全漁連と歩調を合わせ、安定供給の確保、適正価格の維持に努めながら、国、県に対する陳情・要望活動などの対策も行って参ります。
また、組織・事業再編対策については、「宮崎県内漁業協同組合及び系統組織機能・基盤強化推進アクションプラン」に基づき、実行機関として部門別に7部会を設置しておりますが、引き続き購買事業の一元化や販売事業の強化等、具体的に取り組みを進めて参ります。
一昨年12月に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的に高く評価され注目を集めています。「和食」の顔はなんと言ってもまぐろを始めとした水産物です。このすばらしい食文化を継承していくためにもこれ以上漁業者を減らすわけには行きません。
漁業をより魅力ある職業とするためには、漁家所得の向上が必要です。その為には、漁業者が自ら魚価形成を出来る状況を作る必要があります。その為に本会は県域的系統販売組織の構築と6次産業化ネットワ-クを活用しプライベ-ト加工商品の開発を進めて参ります。
本会としては、これら山積する課題に積極的に取り組み、会員との連携を一層強め、それぞれの事業の中で、本県の漁業の振興と存続を担うため、事業部門別に推進事項を設定し、事業を推進して参りたいと存じます。
最後になりましたが、皆様方のご健勝と航海の安全、豊漁をご祈念申し上げまして、新年の挨拶と致します。
宮崎県知事 河野 俊嗣
宮崎県知事 河野 俊嗣

新年を迎えて

民の皆様には、日頃から県政の推進につきまして御理解、御協力を賜り、深く感謝申し上げます。
さて、我が国は人口急減・超高齢化という大きな課題に直面しています。本県は、真の地方創生を実現する「みやざきモデル」をとりまとめ、国の「まち・ひと・しごと創生本部」に提言しました。今後、恵まれた環境や全国トップクラスの合計特殊出生率を踏まえ、人口減少の克服や景気回復等に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
一方、本県では、これまでの先人の努力の上に、着実に飛躍の芽が出始めています。
昨年3月、県民の長年の悲願であった宮崎から延岡までがついに一本の高速道路で結ばれ、「東九州の新時代」を迎えました。また、3つ目の国際定期航空路線として香港線の新設が決定しました。
本年は、こうした成果を礎に、直面する課題へも果敢に挑戦しながら、県民の皆様とともに、誰もが安心して暮らすことができ、将来に夢や希望を持てる地域づくりを進めてまいります。
本県では現在、「第五次宮崎県水産業・漁村振興長期計画」において、「儲かる水産業の実現」を目標に掲げ、関係市町や団体と連携しながら、「資源の回復」と「収益性の向上」及び「漁村の機能保全と活性化」に取り組んでおります。
しかしながら、近年、漁業経営体や就業者が大きく減少するとともに、燃油の高止まりにより依然として厳しい経営が続く中、クロマグロ資源の減少やそれに伴う国際的な規制の強化など新たな課題も生じております。
このような中、科学的な資源評価に基づく管理により、カサゴなどの資源増加が図られたほか、漁業経営体におきましても漁船の小型化や漁獲物の高鮮度化の取組など、漁業構造改革が進んだことにより経営が改善された事例も見受けられ、非常に心強い限りであります。
本年は、漁業を取り巻く環境の変化をしっかりと踏まえ、皆様の声に真摯に耳を傾けながら長期計画の見直しを行うこととしておりますが、よりよい施策の実施につながるよう全力で取り組んでまいりますので、一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。
最後に、新しい年が本県漁業振興の起点となり、皆様にとりまして希望に満ちた明るい年となりますよう、心からお祈り申し上げまして、年頭のごあいさつといたします。
GREETING