水産試験場

図6 ウニ20個体分の生殖巣(左:除去域、右:除去域外)

図7 ウニの生殖巣例(左:除去域、右:除去域外)

終わりに

今回、藻場造成活動の成功例として、北浦ハイの浜における取組を紹介しました。同地区では継続的なウニの密度管理により、大型海藻の藻場回復に成功しましたが、どの場所でもウニを除去すれば大型海藻の藻場が回復するというものではありません。海藻を食べる魚の影響が大きい場所ではその対策を行う必要がありますが、その対策方法は未だ確立されておらず、そういう場所に大型海藻の藻場を回復させるのは今のところ困難です。
ただ、大型海藻の藻場回復に至らずとも、磯焼け域に過剰に生息するウニを除去すれば、喰う・喰われる関係のバランスの回復に繋がって小型海藻が回復し、それが餌となり、ウニの身入り改善に繋がることは多くの場所で確認できています。つまり、ウニ除去によるウニ漁場の復興が可能であり、現在各地で行われている藻場造成活動の活動域を、将来的にウニ漁場として利用し、収入に繋げることで、継続的なウニ密度管理が期待出来ると考えています。
今後も、漁業者が主体となる藻場造成活動について、関係者と一緒に支援していきたいと考えています。
7月の動き 7日
宮崎県藻場干潟等保全地域協議会 通常総会(宮崎市)
FISHERIES EXPERIMENT