水産試験場
みやざき丸です
崎県は、全国トップの漁獲を誇る「近海かつお一本釣漁業」や「沿岸まぐろ延縄漁業」が営まれている漁業の盛んな県であります。
しかし、漁業を取り巻く環境は、資源の減少に加え魚価の低迷、乗組員の高齢化、後継者不足等一段と厳しさを増しており、燃料の異常とも云える高騰も加わって漁業経営を持続するのが難しい状況になってきています。
宮崎県では、これらの基幹漁業の安定的な経営のため、効率の良い操業の実現及び漁業後継者の育成対策に取り組んでいるところです。

「みやざき丸」について

みやざき丸(199トン)は、平成15年5月に建造された漁業調査取締船で、水産試験場に所属しています。船型は「かつお一本釣漁船」タイプに近く、南西諸島海域から宮城県金華山のはるか東沖合海域まで、水温の上昇とともにカツオ・ビンナガの漁場形成について調査しています。
また、国際的にマグロ等の新たな資源管理体制の中、水産資源の調査研究、後継者育成のための実習の他、日向灘周辺海域を中心とした海洋観測や漁業の指導取締業務を担っています。以下に業務の概要を示します。

1 漁業調査

カツオ・ビンナガ漁業調査試験では、周年にわたり漁場探索を実施しており、日本近海のカツオ・ビンナガの漁場の推移を調査し、漁期始めや漁場形成の予想箇所を調査し、業界船に魚の種別・大きさ・群れの大きさと種類(鳥付の群れなど)調査結果の情報を提供しております。 みやざき丸では、「高度漁海況情報システム」や衛星画像を取り込んで解析し、漁場を予測できるシステムを利用しての漁場予測による調査試験を行い、業界船の効率的な操業の実現に取り組んでおります。
東沖カツオ・ビンナガ漁場調査状況 漁獲物調査(カツオ) 漁獲物調査(ビンナガ)

2 海洋観測調査

観測機器は、塩分や水温、水深、流向流速等の計測装置を登載しており、これらの機器等を活用して日向灘海域等の観測調査を適宜実施しています。

3 資源調査

アーカイバルタグ
後記のとおり、カツオの回遊等の生態を明らかにするための記録型電子標識 (アーカイバルタグ)による調査試験等に取り組んでいます。
FISHERIES EXPERIMENT