関係機関
(3)アカアマダイ種苗生産技術開発(H26〜30、増養殖部) 本県のアカアマダイは平成元年をピークに漁獲量が減少し、資源レベルは低位で横ばい傾向と評価されています。資源回復の手段としては漁獲制限等の資源管理のほか種苗放流が考えられます。飼育水の冷却等の課題がありましたが、予備試験として種苗生産試験(平成24〜25年度)を実施したところ、採卵やふ化の目処が立ったことから、本格的な種苗生産技術開発試験に取組むこととしました。
アカアマダイは資源管理対象魚種の中でも重点的に管理措置を行うべき対象種であることから、早急な資源回復を図ることができるよう技術開発に取組んでまいります。
(4)チョウザメ効率的種苗生産技術開発U(H26〜30、内水面支場) 本県では平成16年に全国で初めてシロチョウザメの完全養殖(稚魚→成魚→卵→稚魚)に成功し、県内で養殖されている方は19業者となり昨年からキャビア販売が始まりました。このシロチョウザメのキャビアは高品質であるものの養殖期間が10年近くかかることから、短期間で成熟する養殖対象種が望まれています。そこで、シロチョウザメよりも成熟が早く次期養殖対象種として有望なシベリアチョウザメ等について、効率的な種苗量産技術の開発に取組んでいくこととしています。
複数種のチョウザメ種苗の安定供給体制が確立されることにより、経営の安定化が図られるとともに新規参入が促進されることとなり、本県独自のチョウザメ産業の振興が期待されます。
(5)高温耐性サクラマスの作出(H26〜30、内水面支場) 冷水性魚類であるヤマメは降海するとサクラマスと呼ばれ、大きく成長して高級食材として取扱われますが、海水温の高い本県では天然サクラマスの漁獲はほとんど見られません。ヤマメは海水飼育を行うと淡水飼育と比較して高成長を示し、卵を効率的に大量確保することができるとともに短期間での魚肉の出荷が可能となります。しかしながら、本県では海水温が高いことから海面飼育ができる時期が限られているのです。そこで、永年にわたる高温耐性ニジマスの研究で得られた遺伝子解析の技術を応用して、高水温に強く海水適応能力の高いヤマメの系群を作出することとしています。
海面養殖の新規魚種として短い養殖期間で高成長が望めるサクラマスの養殖が可能になり、県内水産業や地域経済の活性化につながるものと期待されます。
(6)主要浮魚類の漁況・漁場予測技術の高度化(H24〜28、資源部) マイワシやマアジ等の回遊性浮魚類は、数年から数十年単位で資源量が大きく変化することが知られています。これらの浮魚類を漁獲対象とするまき網漁業では、操業の一層の効率化やより計画的な経営を行う上で、漁況や漁場の予測技術開発やその高度化が重要なものとなっています。そこで、これまでの長期漁況予測(数か月単位)に加え、資源変動に伴う漁獲水準の変動を予測する技術の開発を行うとともに、新たな海況情報を活用した漁場予測技術(数日単位)の開発に取り組んでいます。
(7)カツオ・マグロ類の漁場予測技術の高度化による操業効率化技術の開発(H23〜27、経営流通部) 本県の基幹漁業であるかつお一本釣漁業やまぐろ延縄漁業について、その漁場形成要因を明らかにすることは操業の効率化につながり、燃油代を節減する上で非常に重要であると考えられます。 本研究では、カツオやビンナガを対象とした漁場予測技術の高度化を図るため、過去に収集された情報から漁場形成の要因を解析し、これを基にした漁場の推定やみやざき丸による実証試験を行いながら、漁場形成要因の解明及び漁場予測技術の開発を進め、予測精度の向上を図っています。
水産試験場では、漁業者の皆様を始めとする関係者の要望等を技術的に解決するという従来からの役割に加えて、今回の組織改正の目的にあるように、流通・販売や経営につながるような研究の推進に努めていく所存でありますので、ご要望はもとより問題点や疑問点について遠慮なくご相談くださるようお願いします。
3月の動き(県関係)
14日 第4回儲かる漁業実現PJ推進協議会(宮崎市) 25日 宮崎初カツオフェア知事・農政水産部長表敬訪問(宮崎市)
19日 宮崎県資源管理協議会総会(宮崎市) 27日 宮崎県栽培漁業推進協議会(宮崎市)
24日 第370回海区漁業調整委員会(宮崎市) 28日 平成25年度水産業・漁村振興協議会(宮崎市)
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