関係機関
水産物加工指導センター「フード・オープンラボ」の開設について ―経営流通部―
産試験場水産物加工指導センターは、県内水産加工業の発展を目的として設置され、今日に至るまで、漁獲物の鮮度保持や加工による付加価値向上というニーズに応えるため、増改築と加工関連機器の整備を行い、水産加工業者はもとより、漁業者、漁協女性部の皆さん等による水産加工技術の習得、加工製品の試作の場として利用されてきました。
 近年、農林水産業における6次産業化やフードビジネスの進展を受け、新製品開発による業務拡大や新たな販路開拓を目指す水産加工業者や漁業者の方々による当センターの利用や相談が増えてきました。このような中、新製品開発の目処が立った後に問題となるのが、商品の需要予測に基づく機器整備への投資判断であることから、当センター利用者の中からは、「実際に市場での反応を確認してから設備投資をしたいので、水試の施設を使ってテスト販売用の製品が製造できないのか。」という声が寄せられていました。
 現在、県では「水産業・漁村振興長期計画(後期計画)」の下、水産物の生産と販売の最適化に取り組み、加工分野の販売力強化を支援するという重点目標を掲げ、水産物の産地価格と付加価値の向上を目指したマーケットインの視点による加工品の開発・販売の支援を強化しております。
 そこで、平成29年4月、当センターを新開発商品の市場調査を目的としたテスト販売商品の製造が可能な「フード・オープンラボ」として、リニューアルいたしました。
 さっそく、4月中旬に『延岡市水産常温加工品製作・販売広域連携体』に参加している加工業者(2社)さんに当センターをご利用いただき、これまで研究試作を行ってきたオイルサーディン缶詰、カマス燻製レトルトのテスト販売用商品の製造を行いました。 また、この商品については、ゴールデンウィーク中の観光客で賑わう「道の駅・北川はゆま」での試食販売とアンケート調査を実施しましたが、このように、本格的な製造販売や設備導入の検討に当たり、試作品をテスト販売し、市場でのユーザーの声を聞くというプロセスを少ない経費で実施できますので、新商品の開発や新たな販路開拓をお考えの皆様のお役に立つものと思います。
 当センターには、ご利用いただける主な機器として、スチームコンべクションオーブン、スモークハウス、冷却らいかい機、高温高圧蒸気滅菌器(レトルト殺菌機)、真空巻締機(缶詰)などがございます。
 また、「フード・オープンラボ」は、新たな水産加工品開発に取り組む県内の方がご利用になれますが、テスト販売品の製造に当たっては、@魚肉ねり製品製造業、Aそうざい製造業、B缶詰又は瓶詰食品製造業のいずれかの「臨時営業許可」の取得と「食品衛生管理者」の設置が必要で、また、利用される施設・機器毎に1時間あたり20円〜935円の利用料が必要となります。
 なお、新商品の試作段階での当センター利用につきましては、これまで同様に水産試験場研究員による技術指導の下、無料で施設等をご利用いただけます。
 利用方法や料金など、当センター「フード・オープンラボ」の詳しい情報につきましては、お気軽に水産試験場経営流通部までお問い合わせください。
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