水産試験場
2017年上半期の長期漁海況予報について-資源部-
回は、平成28年12月14〜15日に水産総合研究センター中央水産研究所(横浜市)で開催されました太平洋いわし類・マアジ・さば類長期漁海況予報会議の結果を踏まえた2017年上半期の漁海況予報結果について報告します。

【海況】

経過(2016年7月〜12月)
[黒潮] 都井岬沖の黒潮流軸(海上保安庁海洋情報部)は、7〜8月まで「やや離岸」〜「かなり離岸」の離接岸を繰り返し、一時的な「離岸傾向」を除き9〜11月に概ね「接岸傾向」で推移しました。
[沿岸水温] 沿岸海洋観測による日向灘の水温(0m,50m,100m層より判断)は、平年値(1972〜2012年度平均)と比べて、7月に「やや低め」、8月に「やや高め」、9〜10月に「平年並み」、11〜12月に「かなり高め」で推移しました。
予測(2017年1月〜6月)
[黒潮]

都井岬沖の黒潮流軸は、1〜3月中旬は「接岸傾向」、3月下旬以降は「離岸傾向」で推移する見込みです。

[沿岸水温] 日向灘の水温は、1月に「平年並み」〜「低め傾向」、2〜6月に「平年並み」で推移する見込みです。

【漁況】

[マイワシ]

経過(2016年7月〜12月)
まき網で6月よりまとまった漁獲がみられ、平年(過去5年平均)を上回りましたが、前年を下回る漁獲となりました(図1、2)。
漁獲サイズは、13〜14cmの当歳魚が主体でした。
図1 主要まき網のマイワシ漁獲量経年変化 図2 主要まき網のマイワシ漁獲量経月変化
予測(2017年1月〜6月)
漁獲対象は、1〜5月は推定1歳魚以上、6月は0歳魚が主体となる見込みです。
漁獲量は前年(7,744トン:平年比172%)並〜下回ると予測されます。
FISHERIES EXPERIMENT