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図1
平
成27年度の竿釣り(かつお一本釣り)漁業のビンナガ資源来遊動向について、国立研究開発法人水産総合研究センター国際水産資源研究所により、来遊資源の豊度に関する情報がとりまとめられましたので、報告します。
夏期のかつお一本釣漁業ではビンナガも漁獲対象としているため、同じビンナガ資源を漁獲する冬期(1月〜3月)のまぐろ延縄漁業による漁獲情報(来遊水準)は、次の夏期のかつお一本釣漁業の漁況判断の重要な情報となります。
1.まぐろ延縄(平成27年1〜3月)
図1にある海域で、1〜3月にまぐろ延縄で漁獲されたビンナガのCPUE(単位漁獲努力量当たり漁獲量:針数100本当たりの漁獲尾数)をビンナガ来遊量の豊度の指標としました。 また、ビンナガの年齢別のCPUEの、過去との比較を表1に示しました。平成27年における延縄の全年齢込みの全体のCPUEは、6.29となり、昨年と比較して大幅に増加しており、過去5年平均(4.16)と比較しても高い水準です。
3歳魚(今夏のかつお一本釣では4歳魚に相当)のCPUEは5.31で、前年よりも大幅に増加し、過去5年平均(2.67)の約2倍の水準となっています。また4歳魚(かつお一本釣の5歳魚に相当)のCPUEは0.93で、前年から増加し、過去5年平均(0.97)よりやや低い水準にまで回復しています。
2.かつお一本釣
夏期のかつお一本釣漁業のビンナガ3歳魚に関する情報として、平成26年のかつお一本釣漁業の2歳魚のCPUEは0.01(千尾/有漁日・隻)で、平成25年の0.64、過去5年平均(1.02)よりも、大幅に低い水準となっています。
来遊豊度の指標も勘案し、本年度は延縄3歳魚(かつお一本釣の年齢4歳)が主体となり、海況条件により変わりますが、竿釣ビンナガ漁は平年よりも好転することが予想されます。
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表1 平成27年の竿釣りビンナガ来遊資源動向に関する指標
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年齢 |
CPUE |
竿釣り2015年漁期での年齢 |
H25(2013) |
H26(2014) |
H27(2015) |
過去5年平均 |
竿釣り |
2歳 |
0.64 |
0.01 |
− |
1.02 |
3歳(5〜6kg) |
はえ縄 |
全年齢込み |
2.51 |
3.56 |
6.29 |
4.16 |
4〜6歳(7kg以上) |
3歳 |
2.51 |
2.76 |
5.31 |
2.67 |
4歳(7〜11kg) |
4歳 |
0.83 |
0.66 |
0.93 |
0.97 |
5歳(12〜15kg) |
5歳以上 |
0.41 |
0.15 |
0.05 |
0.53 |
6歳(15kg以上) |
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竿釣り2歳魚のCPUEは大型竿釣り船のみから計算した値である。ビンナガの誕生月を5月とした。
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